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禁煙外来
当クリニックでは喫煙を単なる習慣や思考と考えるのではなく、ニコチン依存症と言う病気としてとらえ、必要な治療を行うという考えに基づいて、患者様の禁煙をお手伝いしています。
(日曜祝祭日等を除く通常診療日のみ)
禁煙の保険治療適応施設ですので、一定の条件を満たした喫煙者の方であれば、どなたでも保険を利用して治療を受けることができます。
貼り薬や飲み薬を使うことより、従来よりもずっと楽に禁煙することが可能です。
禁煙したいけど自信がない、これまで自分で禁煙したけれどうまくいかなかったという方にも、取り組みやすくなっているかと思います。
平成22年10月1日に施行されるたばこ税増税に伴い、たばこは1箱あたり100円以上値上がりする事がすでに決定しています。
健康面だけでなく、経済面においてもたばこのもたらす害は小さいものではありません。
ぜひこの機会に、禁煙にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
治療の流れについて
このプログラムでは全12週間にわたり、医師によるカウンセリングと禁煙補助剤を併用した禁煙治療を行っていきます。
補助剤には従来使用されていた、ニコチンを経皮補充するニコチンパッチ(ニコチネルTTS)に加え、新たに喫煙から得られる満足感を抑制できる経口薬(チャンピックス)も使えるようになりました。
また、平成19年6月から指導料に加え、薬剤費も保険適用になっています。
なお、禁煙指導のみで喫煙をやめられるようであれば、必ずしも薬を併用する必要はありません。
当院の禁煙治療の流れは以下の通りです。
初回の指導・治療内容は
- 現在の喫煙状況
- 医師による問診
- ニコチン依存スクリーニングテスト(TDS)による依存度の測定、および評価
- 呼気一酸化炭素濃度量の測定とその結果に関する客観的評価
となります。
初回以降の指導は2・4番が中心になります。
保険診療の対象になるには
禁煙治療が保険適用になるためには、以下をみたす事が条件となります。
- ニコチン依存症に関わるスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断された方
- ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
- 直ちに(1ヶ月以内)禁煙することを希望し、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療プログラムについての説明を受け、当該プログラムへの参加について、文書により同意している方
※前回禁煙治療を中断された方が再度保険診療による禁煙治療を受けようとする場合は、ニコチン依存管理料の初回算定日より起算して1年を超えた日からでなければできません。
禁煙治療にかかる費用について
純粋に禁煙治療のみを行う場合の費用はチャンピックス使用で12週間で7210円・ニコチネル使用で12週間で6810円(平成26年4月現在・3割負担の場合)となります。
なお、こちらの費用には薬剤費は含まれません。保険薬局で別途お支払い下さい。
また、もともと慢性疾患(高血圧・心臓疾患等)をお持ちの方は費用の算出方法が変わりますので、受付窓口へお問い合わせ下さい。
参考 アポック的場店での薬剤費(平成26年6月現在)
薬剤名 | 費用内訳 |
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ニコチンパッチ 7900円 |
30mg(14日分):2050円×2 = 4100円 20mg(14日分):1940円×1 = 1940円 10mg(14日分):1860円×1 = 1860円 |
チャンピックス 15020円 |
初回用シート(14日分):2020円×1 = 2020円 二週目以降 (14日分):2600円×5 = 13000円 |
禁煙補助剤について
当クリニックでは禁煙を促す補助剤としてニコチンパッチ、またはチャンピックスが利用できます。
どちらのお薬を使うかはご本人の希望と既往歴を総合し、医師との相談で決定します。
なお二つのお薬は併用できません。あらかじめご了承ください。
ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)
この薬は禁煙後の離脱症状をおさえ、禁煙の手助けをしてくれます。
薬を使用した場合、禁煙の成功率が約2倍高まるだけでなく、離脱症状を抑え、比較的楽に禁煙することができます。また禁煙後の体重の増加を遅らせたり、抑えたりする効果も期待できます。
なお、ニコチンパッチには以下のような特徴があります。
長所 | 1.使用法が簡単 2.安定した血中濃度の維持が可能 3.(ガムと比較して)歯の状態に関係なく使用できる |
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短所 | 1.突然の喫煙欲求に対処できない 2.皮膚の発赤・かぶれや睡眠障害が起こることがある |
チャンピックス
チャンピックスは平成20年5月8日に新たに国内発売された飲むタイプの禁煙補助剤です。
従来型補助剤のニコチンパッチやニコチンガムは、ニコチンを体内に補充する事により禁断症状を和らげる仕組みです。
これに対し、チャンピックスは脳内にあるニコチン受容体にニコチンの代わりにくっついて、微量のドーパミン(喫煙で得られる快感の元になる物質)を放出させ、禁断症状を和らげる仕組みになっています。
またチャンピックスにはニコチンよりも受容体にくっつきやすい性質があります。
このためタバコをうっかり吸ってしまっても、ニコチンによって従来ほどの快楽が得られないため、喫煙行為から離れやすくなる効果もあります。
チャンピックスはこれら二つの作用により禁煙を促す、新しいタイプの非ニコチン製剤です。
この製剤による禁煙成功率は約65%で、従来のニコチン補助剤(成功率:約50%)よりも高い効果が見込めます。
チャンピックスの特徴は以下の通りです。
長所 | 1.うっかり吸ってしまった時にブレーキをかけてくれる効果がある 2.ニコチンパッチで副作用(かぶれた・不眠)が出た方も使用可能 3.歯の状態に関係なく使用できる |
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短所 | 1.軽度の嘔気、頭痛、便秘が起こることがある 2.重度の腎機能障害がある方は使用上注意が必要となる |
喫煙がもたらす悪影響
喫煙者自身にたばこがもたらす悪影響として、「狭心症・心筋梗塞」「高血圧」「胃・十二指腸潰瘍」「脳梗塞」「喘息」「ガン」などを誘発したり、症状を悪化させる事は有名ですが、その他にも喫煙者の周囲の人や、喫煙者本人の外見面への影響など、さまざまなものがあげられます。
以下の現象は禁煙することで回避できます。
- 周囲の人の受動喫煙のリスクが高まります
非喫煙者の女性の喫煙者(1日20本以上)の夫からの受動喫煙による肺がん死亡率は、そうでない女性の約1.9倍になる事が調査より判明しています。
また、母親が喫煙している場合、非喫煙者の母親と比べて、お子さんが喘息様気管支炎にかかるリスクが約2.9倍となります。 - 妊娠・出産時に悪影響があります
喫煙は不妊症や子宮外妊娠、未熟児誕生の誘因となります。
また早産や流産の可能性は非喫煙者の約1.5倍となり、産後喫煙している場合は、ニコチン切れによる乳児の夜鳴きやぐずりを引き起こします。 - 外見に悪影響が出ます
たばこを吸うと血管が収縮するため血行が悪くなり、肌荒れやシミ・ソバカスが起こりやすくなります。
口臭、歯肉へのメラニン色素とヤニの沈着、歯槽膿ろうも起こりやすくなります。
また、喫煙経験によりAGA(男性型脱毛症)発症率が有意に増加します。
ニコチンはアドレナリンと男性ホルモンを過剰分泌させる性質を持つため、頭皮の血流障害を引き起こし、皮脂腺を活発化させてしまうためです。 → 【AGA外来】 - EDの原因となります
喫煙は血流低下や動脈硬化を進行させるため、ED(勃起機能不全)を引き起こす原因の一つとなります。
喫煙者のEDのリスクは1日20本以下の喫煙者の場合、非喫煙者と比較して1.24倍、20本以上の人は1.39倍になるとの調査結果が出ています。 → 【ED外来】
禁煙で失敗しないコツ
「たばこなんてあんまり吸ってないし、すぐに止められるから」と話す方はかなりいらっしゃいますが、実際に禁煙にチャレンジしてみたものの、結局ニコチンの誘惑に勝てず、ずるずると喫煙を続けている方も多くいらっしゃるかと思います。
禁煙による利点とコツをしっかり認識することが、禁煙の成功への近道です。
- 禁煙スタートの日をきちんと設定しましょう
記念日や誕生日等、いつからはじめたのか覚えていられる日を選ぶと効果的です。
また仕事中の喫煙が習慣化している人は、最初の数日間は休日をあてましょう。 - 「禁煙宣言」は賛否両論です
禁煙への意識が高められる反面、プレッシャーがかかったり、周囲の喫煙仲間からの妨害につながる事もあります。 - たばこは「依存性薬物」である事をしっかり認識しましょう
喫煙すると集中力が高まったりいらいらが収まった気がしますが、いずれもニコチンが中枢神経にもたらした快楽による錯覚です。 - 喫煙したくなったら水分を大量摂取しましょう
ニコチンには抗利尿ホルモンを分泌させ、体内に水分をためる性質があります。これを逆手に取り、たばこを吸いたくなったら水分を大量摂取すれば、ニコチンへの欲求を収めることができるそうです。 - 期間中はお酒とコーヒーをとらないようにしましょう
どちらにも抗利尿ホルモンを抑制させる働きがあるため、摂取すると余分な水分をどんどん体外へ排出してしまいます。
当クリニックでの過去の治療成績
当クリニックの禁煙外来で治療された患者様の治療成績は以下の通りです。
年度ごとの治療成績
使用薬剤ごとの治療成績

