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各種検査について

自己血糖測定(インスリン自己注射に伴う血糖測定について)

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糖尿病の患者様で血糖自己測定をしている方は、これまで指先などで針を穿刺して微量の血液で血糖を測る痛みに一日に数回以上苦しまなくてはなりませんでした。針の痛みは往々にして血糖測定が疎かになる原因の一つでもあり、不十分な測定は不十分な治療につながります。そこで、平成29年9月より非侵襲性の自己血糖測定機が保険適用になりました。この機器はセンサーを上腕に貼り付け、専用のリーダーで読み取ることで毎回の痛みがなく血糖自己測定を行うことができます。センサーを貼り付けたまま、日常生活にはほとんど支障はありません。お風呂もエクササイズも水泳もOKです。
 糖尿病は、さまざまな合併症や生命にかかわる重大な疾病ですが、適切なマネジメントをすることで最良の治療につながります。今後の糖尿病治療の進展に大きな期待が寄せられています。
 詳しくは当院医師にご相談ください。

PT-INR検査

CoaguChek XSPT(prothrombin time):プロトロンビン時間とは血液の凝固因子に関する指標の一つで、血液の凝固異常を判定する検査として用いられています。
患者様の静脈血を採取し、ここから取り出した血漿にカルシウムと組織・トロンボプラスチンを加えた時の凝固時間がPTとなります。

ヨーロッパや日本では、PTによるワーファリンによる抗凝固療法の効果を判定する方法が普及しているのですが、トロンボプラスチンは生物由来製剤のため、試薬メーカー・製造ロット・測定施設によって測定値が変動するという問題があります。
こうした不都合を解消するため、測定値から容易に標準化値を得られるように考案された仕組みがPT-INR:Prothrombin Time-International Normalized Ratio(プロトロンビン時間-国際標準化比)です。

当クリニックでは、このPT-INRを簡単・迅速に測定できる最新装置を平成20年12月より導入し、院内での測定に切り替わりました。
これにより、今までに比べ短時間でワーファリン内服量の調整が可能となっています。
詳しくは受付へお問い合わせください。

ワーファリンについて

ワーファリンは血栓・塞栓症の治療及び予防に用いられる薬です。
心臓弁膜症に対する人口弁を用いた手術後や、心房細動が原因となる脳塞栓症予防、心筋梗塞後等で心臓や血管に血栓ができやすい時にしばしば処方されますが、投与量が多すぎると出血、少なすぎると血栓症の危険性の増加につながります。
上記の出血と凝固のバランスは患者様ごとに異なり、また同じ患者様であっても普段の食事内容などによって異なってくるため、ワーファリン服用中の方は薬剤効果を判定するために、定期的に血液凝固能力検査をすることが必須となります。

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RSウイルス感染症検査

RSウイルス感染症は、2歳までにほぼ100%の人が一度は罹患するほどポピュラーな疾患ですが、これまでは迅速検査は入院となるケースのみ保険適用とされ、外来で検査を行う場合は保険適用とならず、検査費用は全額自己負担となっていました。
しかし2011年10月17日より、0歳児に限りRSウイルス迅速検査が保険適用へ変更となりました。
これに伴い、当クリニックでもRSウイルス迅速検査の取り扱いを開始いたします。

RSウイルス感染症

秋から冬に流行するRSウイルス感染症は、咳からの飛沫感染や鼻水・痰に触った手からの経口感染でうつり、発熱・鼻水・せきなど、かぜのような症状を引き起こします。大人は鼻水や咳程度の典型的な軽いかぜ症状で終わりますが、生後6カ月未満の赤ちゃんや早産児、また、心臓や肺などの呼吸器官に持病があるお子様は重症化のリスクが高いとされています。

残念ながら、このRSウィルスには母体からの免疫の効果がなく、特に生後間もない赤ちゃんは呼吸器の発達が不十分なことから、無呼吸状態や突然死につながるおそれがあり、1歳未満の乳児の場合、RSウイルス感染症による10万人当たりの死亡率は、インフルエンザの2倍以上にのぼっています。

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ノロウィルス検査

ノロウィルスの抗原定性迅速検査が平成24年4月から条件付きで保険適用になりました

留意事項:以下のいずれかひとつに該当すれば保険適用
① 3歳未満の患者
② 65歳以上の患者
③ 悪性腫瘍の診断が確定している患者
④ 臓器移植後の患者
⑤ 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、または免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

ノロウィルス感染症とは

1.症状
主な症状は吐き気、嘔吐、腹痛および下痢です。通常は便に血が混じることはなく、あまり高い熱も出ません。
感染してから発病するまでの潜伏期間は短くて10数時間から2日で軽い風邪のような症状で済む場合もあれば、高齢者や乳幼児などの場合は重症化することがあります。1~2日で症状は治まりますが1週間~1ヶ月ほどウィルスが排泄されるので注意が必要です

2.治療
残念ながら特効薬はありません。下痢や嘔吐による水分の喪失による脱水がひどい場合には点滴等の治療が施されます。そのほか吐き気止めや整腸剤などの薬が処方されることもありますが、通常は抗生剤や止瀉剤(下痢止め)は処方されません。

3.感染経路と予防法
ノロウィルス感染症は二枚貝(牡蠣など)の生食による食中毒が有名ですが、ヒトからヒトへの感染で爆発的に拡がります。
ノロウィルスは感染力が非常に強く10~100個のウィルスで多くの人に感染します。糞便1ccの中にはなんと1万~1億個のウィルスがいるとされています。食品からだけでなく接触や空気を介して経口感染することもあります。便器からドアノブへ ドアノブから手へ 手からお皿へ といった具合です。

調理の際は

① 流水と液体石鹸で十分に手洗いをすること

② 生ものはできるだけ避け十分に加熱して食べましょう。貝類は特に原因になりやすいので注意しましょう。

③ 調理用品(まな板、包丁、ふきん等)は洗浄を徹底しましょう。アルコールでは死なないので85度以上の熱湯で1分以上加熱するか、次亜塩素系の消毒剤でしっかり除菌しましょう。

嘔吐物、下痢便の処理は

① 排泄物には大量にノロウィルスが含まれています。マスクと使い捨て手袋でしっかり拭き取りビニール袋に入れて捨てることをお勧めします。

② 衣類も洗濯機で洗わず、まず付着物をたらいで洗い塩素系消毒薬で消毒することをお勧めします。

細菌性胃腸炎とウィルス性胃腸炎の違い

細菌性胃腸炎はO-157などの病原性大腸菌に代表される何らかの食中毒菌に感染して嘔吐、下痢、血便などの食中毒症状を起こします。
便培養で食中毒菌が検出された場合は、有効な抗生物質を投与して症状の軽減を図ります。
対してウィルス性胃腸炎は特効薬がないので、脱水症状などの合併症に気をつけて対症療法で回復を図ります。
いずれにしても 嘔気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が見られたら早めの受診をお勧めします。

※参考ページ

迅速検査一覧

種類 保険適用条件有無 材料 検査時間(約)
インフルエンザ
抗原定性
              鼻腔ぬぐい液 8分
A群B群溶連菌
抗原定性
             咽頭ぬぐい液 5分
アデノウィルス
抗原定性
   咽頭粘膜
結膜粘膜
15分
RSウィルス
抗原定性
1歳未満の乳児
入院中の患者
パリビズマブ製剤の適用患者
鼻腔ぬぐい液 8分
ロタウィルス
抗原定性
糞便 10分
ノロウィルス
抗原定性
3歳未満または65歳以上の者
悪性腫瘍患者 
免疫抑制剤使用者
免疫抑制効果のある薬剤使用者
糞便 15分

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