トップ » 不妊治療について
不妊治療について
不妊症とは定期的な夫婦生活があり、避妊をしていないのに2年以内に妊娠しない状態をさします。
これは通常では、夫婦の約80%が1年以内、90%以上が2年以内に妊娠するという統計に基づいています。
不妊症の女性側の原因は約5割で、男性側が約3割、その他の原因不明が約2割と言われています。
不妊治療の流れ
当クリニックではまずはじめに基礎体温を2ヶ月程度つけていただき、このデータを元にしてタイミング療法に取り組んでいただきます。
タイミング療法とは、排卵周期を基礎体温表で測りながら排卵の時期を予測し、排卵のチャンスを逃さないように性行為を持つことにより妊娠に至る事を目指す治療法です。ごく初歩的で安価な治療法ですが、多くの方に効果があります。
またこの間に、排卵障害があると判明した場合は採血を行います。
あわせて内服・注射治療を行い、6ヶ月間の治療後、妊娠しなかった場合は不妊治療の専門医(埼玉医大)をご紹介する形をとらせていただいています。
採血検査について
排卵障害が判明した場合、採血を行い以下の項目について検査します。
不妊の原因がわからないままでは、適切な治療が行えません。基本的な検査で原因をつきとめましょう。
- 甲状腺機能検査
甲状腺から分泌されているホルモンの量を調べることによって、甲状腺が正常に機能しているかを調べる検査です。
甲状腺ホルモン量は、多くても少なくても不妊症の原因となる可能性があります。
■検査項目:TSH(甲状腺刺激ホルモン)、T3(遊離トリヨードサイロニン)、T4(遊離サイロキシン) - LH-RHテスト
視床下部から分泌しているLH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)を注射投与し、この刺激により下垂体から放出されたホルモンの血中量を間隔をあけて数回測定する事により、視床下部、下垂体、卵巣の機能を調べる事ができます。
■検査項目:LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン) - エストロゲン検査
エストロゲン(卵胞ホルモン)は発情ホルモンとも呼ばれ、 月経の終わりごろから排卵前にかけて分泌が高まる物質です。この分泌が少なかったりリズムが乱れたりしていると、排卵がスムーズに起こらないため、月経不順や不妊症の原因となります。
■検査項目:E2(エストラジオール:エストロゲンの一種。最も生理活性が高く、排卵前にE2を数値を調べる事で排卵日の予測ができます。) - TRHテスト
高プロラクチン血症の有無を調べる検査です。
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)は本来授乳期間中に分泌され、乳汁の分泌を促進させるためのホルモンです。
プロラクチンの血中濃度が高いと排卵が抑制されるため、妊娠を望む場合にはこれを治療する必要性が出てきます。
■検査項目:プロラクチン(乳汁分泌ホルモン) - テストステロン検査
テストステロンは男性ホルモン(アンドロゲン)の一種ですが、女性も副腎から分泌されています。
女性がPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の場合、男性ホルモンの過剰分泌から「高アンドロゲン血症」となり、重大な排卵障害の原因となることがあります。
またPCOSの嚢胞そのものは無害ですが、不妊の原因となる無月経や稀発月経を引き起こします。
■検査項目:テストステロン